ご相談ケース 2
横浜神奈川区・おなかの大きな野良猫捕獲のケース
チロちゃん捕獲と出産
2001年4月、チロちゃんはかなりおなかの大きな状態でれいさんの家のあたりに姿を現し、悩んだれいさんがご相談してきました。兎に角、捕獲しない事には産まれてしまう・・・と思い、我が家から比較的近いこともあり急いで捕獲器を持って駆けつけました。
何日かエサやりを続けてくれていたので、チロちゃんはいとも簡単に捕獲出来ましたが、この当時の私にはもはや臨月で今にも生まれそうなおなかの子ごと手術する決心は出来ませんでした。れいさんも、自宅で産ませて里子に出せるまでは母子共々置いてくれる覚悟をしていました。先住猫が2匹いるので、自宅のロフトにチロちゃんを隔離してそっとしておく事にしたのですが、出産後チロちゃんは育児放棄してしまったのです。
チロちゃんの育児放棄と人工授乳
どれ位の時間、様子を見ていれば良いのか判断に困りました。チロちゃんはおっぱいをあげている様子はなく、仔猫たちを放り出して物陰に隠れたまま出て来ないと言います。数時間悩んだ揚句、人工授乳で育てる決心をしました。と言っても、実際に授乳するのはれいさんです。哺乳瓶とミルクを動物病院で買い込み、れいさんの家に届けて授乳開始したのですが、哺乳瓶の乳首をくわえさせる事からして大変な苦労でした。母猫のおっぱいを誰に教わるともなくくわえて吸えるのに、相手が哺乳瓶の乳首では吸う事をなかなか出来ないものです。時間をかけて1匹ずつが飲む事を覚えるまでに、我々は汗だくでした。
人工授乳する場合は、母猫がしているお尻の世話もしなければいけません。授乳前と後に、オシッコを出してやるのですが、これは脱脂綿をちぎって排泄するあたりをポンポン叩いてあげると、やがてビショビショとオシッコを大量に出します。それをしてからでないと、ミルクが充分に飲めません。そして飲んだ後にも、お尻の世話をします。ウンチの方は毎日出るとは限らず、最初は3日ほどは出ない事もあります。
チロちゃんの仔猫は5匹だったので、一通り終わるともう最初の仔猫がお乳を欲しがる時間になってしまいます。会社勤めをしていた私が手伝いに行けたのは初日だけでしたので、れいさんは5匹の授乳を一人でこなしました。そして立派に育てあげてから、チロちゃんの避妊を済ませ、チロちゃんは外に戻しました。部屋の中にいてもチロちゃんは物陰から出て来られず、既にノイローゼになりそうでした。
仔猫は里親募集をしていたのですが、里子に出せる頃にはれいさんのご主人が既に仔猫を手放せなくなる程に可愛がっていて、結局5匹全員がそのままれいさんちの子供となりました。全部で7匹・・・猫を愛し、猫の為に努力を厭わないれいさんだから出来た事で、普通はなかなか出来ないものだと思います。
おなかの大きなメス猫の避妊はどうすべきか?
おなかの大きな、しかも出産直前の捕獲は、上記のようなリスクがあると思って良いでしょう。しかしこのケースの場合は、仔猫たちは全員家猫として幸せに暮らしており、とうに避妊も済ませて貰っています。あのままチロちゃんが外で産んでいたら、今ごろはその仔猫からまた仔猫が増えていた事だろうと思います。一旦外で産ませてしまったら、今度仔猫を保護出来るようになるまでには死んでしまっている仔猫もいるでしょうし、仔猫がエサを貰いに姿を現す頃には、すっかり野良猫としての気質が出来上がってしまっていて、里子に出すのも家に置くのも覚悟のない人にはとても出来ません。だから、あの場合はああする事が一番良かったのだと考えます。
妊娠初期であれば、迷わず手術を勧めたいです。それを「非情だ」と思う方は、是非れいさん位の覚悟と努力で家に置いて育て上げ、最悪の場合は仔猫全員を飼っていただけたらと思います。産ませる仔猫たちも確実に避妊していかなければ、永久に問題気大きくなり続けるのですから。
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